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STANDARD YOGA 310

「今時のPCの良さをどこでもだれでも」手にできるバランス

西田宗千佳

 日常的な生活では、スマートフォンに頼るシーンは非常に多い。実際、PCなしでもやっていける人もいるだろう。だが、それでもPCが便利であるのは、「スマホでやるよりも楽になる」時も多いからだ。大きな画面があり、キーボードがあり、机の上でしっかり安定する。スマホ的な感覚で使えつつ、しかも、スマホよりも快適に使える時もあって、しかも高価ではない……。そういう製品が、個人向けPCの一つの形だろう。

 

 YOGA 310は、その条件に当てはまる製品である。わかりやすい利点は「変形」することだ。ディスプレイとキーボードの間のヒンジが自由に動くことで、「ラップトップ」「スタンド」「テント」「タブレット」の4つの形態になる。特に重要なのは、「スタンド」「テント」になること。この2つのモードは、映像を見たりなにかを読んだりする時に非常に快適だ。昨今は個室にテレビを置かない家庭が増えている。余暇にはYouTubeやAbemaTVなどの動画サービスを見ている……という人も多い。ウェブやSNSを眺めている時間も増えているし、コミックを中心に、電子書籍も充実しはじめた。それらを楽しむ時、机の上に置いて画面をタッチしながら操作できるYOGA 310は、スマホより体が楽になる。そして、一般的なノートPCと異なり、「スタンド」「テント」モードではキーボードが手前に来ないため、邪魔にもならない。特に「テント」モードは、新幹線の車内や飛行機の中など、前後の幅が狭い場所で非常に有効である。比較的小型のノートPCながら、スピーカーの音には迫力もあり、個室でコンパクトに映画を楽しみたい時などには、この点もプラスである。

 

 YOGA 310は持ち運びも容易だ。1.35kgという本体重量は、モバイルノートPCとしてはそこそこ、というレベルではあるが、十分持ち運べる。マイクロソフト・オフィスが付属しても手が届く価格であることを思えば納得できる値である。「スタンド」「テント」モードの価値は旅行などで発揮されるから、この重量であることが大切だ。

 荷物を減らす、という意味では、ACアダプターの軽さとコンパクトさもプラスだ。ACアダプターは160gしかなく、ケーブルも細く、取り回しやすい。また、USBコネクターのひとつは、PCとして起動していない時でも電源が供給される「Powered USB」仕様であるのも重要だ。スマホをつないで充電する時、PCが起動している必要がない。だから、移動中に巨大なモバイルバッテリーとして使ったり、ホテルなどでPCを経由して充電したりするのに適している。PCを持っていくと確かに荷物は増えるのだが、こうした仕様の製品であれば、スマホ用の充電器を荷物から外せるので、その分重量は相殺できる。

 

 11.6型ディスプレイは、現在のノートPCとしては小型な部類に入る。だからキーボードも若干小ぶりだが、タイプ感・キーのサイズともに良好で、タイプしづらい、と感じることはないだろう。SDカードスロット・HDMIインターフェース・有線LANも内蔵されていて、別にアダプターを用意する必要もない。仕事で使うことを考えると、これらのアダプターを忘れるのが怖いところだが、それがないのはプラスだ。また「荷物を減らす」という点でも有利だ。

 

 価格を抑えた製品なので、動画編集やゲームなどには向かないし、大規模なデータを扱うのも苦手だ。あくまで「パーソナルな用途」に向くPCであり、「どこでもスマホよりよい環境を得る」「個室でスマホより快適にエンターテインメントを楽しめる環境を得る」ための道具としては、十分な性能である。そうした製品は、手頃な価格であることが望ましい。そこまで含めて、YOGA 310はなかなか面白いバランスの製品に仕上がっている、といえる。

太田百合子

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