PREMIUM YOGA 910

モバイル用途に適した

Lenovo YOGA 910

鈴木淳也

 筆者はモバイル決済の分野を取材フィールドとしているが、そのために国内外を問わず世界中の会議や展示会をまわりつつ、各地での市場調査を行っている。それだけ出張回数も多く、仕事はほぼすべてモバイルPC上でこなさなければならない。かといって大きなパフォーマンスを得られるハイエンドPCであったり、作業スペースの広い大画面PCは選択肢から除外している。モバイルする回数が多いということは紛失や盗難、故障といったトラブルは日常茶飯事であり、極度に特定の構成に依存したPCはあまり選びたくない。また大画面PCは持ち運びには重すぎ、移動に不自由を強いられる。そこで長年にわたって仕事用のノートPCは13インチ前後で、標準的なスペックを持ったミッドレンジ製品を選ぶようにしており、今回紹介するLenovoの「YOGA 910」はこのニーズにマッチしたものだといえる。

 

モバイル用途で役立つ長時間バッテリ駆動とスマートフォンの充電

 

 海外移動では飛行機だけで10時間、その先のホテルまでの移動時間まで考慮すればさらに数時間というのもざらだが、その間も作業を続けるとなると長時間のバッテリ駆動は重要な要素だ。もっとも、移動中ずっと作業を行っているわけではなく、筆者の場合は13インチ前後とバッテリ容量が少なめの機種を選ぶ傾向があるため、ミニマムで5-6時間程度使えれば合格と考えている。YOGA 910のカタログスペックでのフル充電時のバッテリ駆動は最大15.9時間となっているが、標準的な使い方で10時間前後は問題ない印象で、必要十分な水準だと考える。

 

 YOGAシリーズといえば、ノートPCとしての利用以外にも、画面を背面方向に折りたたんでのタブレットモードやテント状に立ててタッチスクリーン端末としての利用など、用途に応じてさまざまな形状に変形可能な特徴が知られている。特に前の座席からシートが倒れてきてノートPCのように画面を開いて利用するスタイルでは操作が困難なエコノミーシートでのケースや、そもそも座席が狭いバスでは、これらタブレットやテント形状でのタッチ操作のほうが向いており、「キーボードを使わない」という条件こそあるものの、一部の作業はそのまま同じマシン上で行えるメリットがある。

 

 また最近重要だと思っているのが「USB経由でのスマートフォンの充電」だ。椅子にゆっくりと腰を据えたタイミング以外では操作しないノートPCに比べ、スマートフォンはほぼ終日使う可能性のあるデバイスであり、長時間移動が続く前のタイミングでなるべく充電しておきたい。とはいえ電源が確保できない場面も多くあり、筆者の場合にはモバイルバッテリではなくノートPCから充電している。PC本体のバッテリ駆動時間が長いということは、それだけバッテリ容量が比較的大きいということも意味しており、昨今標準的な5インチサイズのスマートフォンを1-2回程度充電するには十分だろう。さらにYOGA 910では、本体の電源が切れていたりスリープ状態でもUSB充電が可能なPowered USBに対応しており、例えば本体をカバンにしまいつつ、スマートフォンとUSB接続を行って移動中に充電を続けることも可能だ。

 

便利な指紋認証

 

 YOGA 910ではキーボード部分に指紋認証センサーを搭載しており、Windows 10で導入された生体認証サービスである「Windows Hello」が利用できる。これにより、起動直後や離席から復帰後のサインイン時に面倒なパスワード入力やPINコード入力なしに、指紋センサーに指をタッチするだけですぐに利用を開始できる。

 

 Windows Helloの設定は簡単で、初期セットアップ時、あるいは新規アカウント追加時にWindows Helloを利用するかどうかを確認してくるので、その場で設定可能だ。センサーに数回タッチを行うことで指紋が登録され、すぐにWindows Helloの利用が可能になる。指紋登録時のコツは、登録する指先の指紋中心部以外に、やや上側の爪に近い部分、あるいは少し左右に傾けた部分を複数回のタッチ作業の際に行っておくことだ。これにより、タッチ認識のスピードが若干向上する。実際にやるとわかるが、指紋センサーへのタッチは指紋の中心部ではなく、少し外れた位置で触れてしまうことが多く、さまざまな角度からの指紋登録は認識スピードを上げる効果があり、サインイン時のストレスを軽減できる。Windows Helloの場合、反応速度の速いセンサーを利用するとほぼ一瞬でサインインが行われる特徴がある。YOGA 910では本体を開いたと同時に指紋センサーに指を置いておけば、スリープ復帰直後にすぐに作業開始が可能になるので覚えておいていいだろう。

 

 現状はまだまだだが、今後はWebサービスや金融機関のサービス利用など、インターネット経由の本人認証は「FIDO」と呼ばれる生体認証を使う方式が一般的になってくると考えられるため、YOGA 910の指紋センサーであれば、近い将来にもこうしたサービスでの対応で便利に活用できるはずだ。

 

高級感あるデザインとしっかりとした筐体

 

 今回テストしたYOGA 910はプロセッサにIntelのCore i5-7200Uを採用し、メモリは8GB、ストレージに256GBのSSDを搭載している。7200UはKaby Lakeと呼ばれる第7世代のCoreプロセッサであり、内蔵GPUのIntel HD Graphics 620は4K動画再生にも十分とこのクラスでは高性能だ。CPUは全世代のSkylakeだが、同じクラスのスペック構成を持つMacBook ProのTouch Barなしモデルが税込みで16万円程度であることを考えれば、Lenovo直販価格で¥128,898(Officeなし)という同モデルはかなり値頃感がある。ファーストデバイスとして今後数年使うことを考慮しても十分なスペックを持っており、そこそこ高スペックなモバイルPCがほしいというユーザーにお勧めできる。

 

 本体重量が1.38kgというのは昨今の軽量モバイルノートPCと比較すると重いという方もいるかもしれないが、実際には同クラスの13インチMacBook Airとほぼ同じ重量であり、金属フレームの筐体としてはむしろ軽量だといえる。13インチというサイズはフルピッチのキーボードを採用するのに最低限のサイズでもあり、筆者が長年13インチ前後のクラスにこだわっていた理由の1つでもある。本体は全体に高級感ある仕上げとなっており、かつ頑丈でモバイル用途に適している。自分の作業PCを相手に見せびらかすものではないと思うが、プレゼンテーションや動画視聴など多彩なYOGA

の利用スタイルを考えれば相手と一緒にPCを利用する機会も多く、そうした意味で相手の目を惹くのではないだろうか。

 

※価格は変わる場合がありますので、店頭でご確認ください。※5月31日時点でのレノボダイレクト  価格¥128,898(Officeなし)税込・送料無料 (e クーポン適用後価格)

 

共用できるUSB Type-C対応電源アダプタ

 

 YOGA 910では、外部インターフェイスとしてUSB Type-Aポートのほか、昨今対応デバイスが増えつつあるType-Cポートも1基備えており、今後モバイル機器の接続に重宝するだろう。これとは別に、充電用のアダプタ接続ポートも備えているのだが、なんとこれがType-Cとなっている。USB PD(Power Delivery)の規格に準拠した充電ポートとみられるが、試しに筆者の手元にあったMacBook Pro with Touch Barに付属の充電アダプタ(USB-C、45W)をYOGA 910を接続してみたところ、普通に充電が可能なだけでなく、満充電にかかる時間が短く表示される傾向が確認できた。逆にYOGA 910に付属の充電アダプタをMacBook Pro側に挿入したところ、こちらはうまく充電が行えなかった。少なくとも、MacBook Pro側のアダプタは両方のデバイスの充電が可能なため、仮に1つのアダプタであってもデバイス間での共用が行える。

 

 海外出張などのモバイル用途でよく問題になることに、本体の故障以外に電源アダプタの紛失や故障が挙げられる。出張先によってはPCにあう形状のプラグや充電容量を持つアダプタの入手が非常に難しく、特にApple Storeが広域展開されていなかったころのMacBookで非常に苦労した記憶が残っている。だが充電方式がUSB PDを使ったType-Cであれば、今回の例にあるようにMacBook Proのアダプタを流用したり、あるいは現在増えつつあるUSB PD対応の充電アダプタやハブがそのまま利用できたりと、入手性でのハードルが格段に下がる。地味だが注目ポイントの1つだ。

 

指紋登録では複数回にわたって指を置くことを求められる。少し指を傾けた状態やずらした状態でタッチするのがコツ

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